丙午伝説の真実
2025-12-25 11:54:31

丙午生まれの女性たちの運命を解き明かす新刊『ひのえうまに生まれて300年の呪いを解く』

丙午生まれの女性たちの運命を解き明かす新刊



2026年、丙午の年がやってきます。毎回、丙午に生まれた女性たちは「男を食い殺す不幸の種」とされ、300年にわたる迷信の犠牲者とみなされてきました。しかし、この伝説にはどのような背景があるのでしょうか。自ら丙午に生まれた著者、酒井順子さんはその迷信の根源に鋭く迫る新刊『ひのえうまに生まれて300年の呪いを解く』を2026年1月15日に出版します。

迷信の歴史


丙午は60年に一度の巡り合わせです。その年に生まれた女性たちは、歴史的に見ても数多くの困難に直面してきました。そもそも丙午生まれが結婚難に見舞われうようになったのは、たった一つのエピソードから始まったと言われています。「八百屋お七」という女性が丙午生まれであり、彼女が恋に翻弄されて火事を起こしたという伝説が、いつの間にか女性たちを不幸の象徴としてしまったのです。

この新刊では、酒井さんが昭和から寛文まで、各歴史的周期を遡りながら、記録された丙午エピソードを発掘していきます。明治・昭和にかけては、出生数の減少や結婚への絶望的なエピソードも散見されました。特に昭和時代(1966年)には、出生数が前年に比べて25%も減少したという事実もあり、社会は依然としてこの迷信に影響されていました。

社会的な側面


丙午女性たちは、単に結婚することが難しいだけでなく、逆に結婚後にも辛い目に遭うことが多かったのです。多くの丙午女性は「嫁いびり」に遭い、それを丙午のせいにされることもしばしばありました。そのような現象が、どのようにして長い間続いてきたかを探ることも、この本の大きなテーマです。

文化的視点からの再考


小説や随筆の中でも、丙午生まれの女性に対するさまざまな評価が存在します。著名な文学者である川端康成は、「丙午の娘」は美しく、勝気であると褒め称えますが、夏目漱石はその奔放さを嫌悪します。このような対比は、男性たちがどのように丙午女性を捉えたかを反映しています。

鼎談による考察


新刊には、鈴木保奈美さんや大阪大学の吉川徹教授との鼎談も収録されています。鼎談では、丙午に関する様々な経験や見解を持ち寄り、「スケープホース」や「負け犬」などの言葉が丙午とどのように結びついているかが議論されます。

最後に


著者の酒井順子さんは、この迷信が長らく日本の女性たちに影響を与え続けてきた事実を忘れてはいけない、と訴えています。文化的な感覚や社会的な通念が、今の私たちにも影響を及ぼしていることを知ることは、重要です。丙午の迷信がどのように生まれ、育まれてきたのかを理解し、次代への教訓となることを願います。

新刊『ひのえうまに生まれて300年の呪いを解く』は、丙午イヤーに生まれた女性たちへの新たな理解を促す一冊です。日本の女性たちが直面している困難の根本がどこにあるのかを考える機会ともなるでしょう。ぜひ、多くの方に手に取っていただきたい一冊です。

書籍情報


  • - タイトル: ひのえうまに生まれて300年の呪いを解く
  • - 著者名: 酒井順子
  • - 発売日: 2026年1月15日
  • - 造本: 四六判ソフトカバー160頁
  • - 定価: 1815円(税込)
  • - ISBN: 978-4-10-398512-9
  • - URL: 新潮社


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