2024年11月28日から12月25日までの期間、株式会社マイナビが実施した「2026年卒大学生のライフスタイル調査」が発表されました。この調査は、2026年に卒業予定の全国の大学生や大学院生を対象にしており、さまざまな特徴やトレンドが浮き彫りとなりました。これにより、今後の結婚観や家庭に対する考え方がどのように変化しているのかを探ります。
まず目を引いたのは、共働きを希望する大学生の割合が
72.1%に達した点です。この数値は、調査が始まった16年卒から8年連続で増加しており、特に経済的な理由がその背景にあることが明らかです。具体的には、「一方の収入だけでは生活できない」という理由が最も多く、さらには男女ともにこの傾向が見られました。男子は67.5%、女子は77.9%と、どちらの性別においても高水準を維持しています。このことから、経済的な安定を求める意識が学生世代に浸透していることがわかります。
また、将来の理想像についても、多様な意見が寄せられました。「結婚しない」と考える学生は13.3%、さらに11.9%が「婚姻関係にこだわらないパートナーシップ」を希望するなど、従来の結婚観だけでなく、さまざまなスタイルが受け入れられています。このような変化は、個人のライフスタイルや価値観がより多様化してきたことを示唆しています。
さらに、子育てに関する考え方も注目すべきポイントです。調査によると、子供を持ちたくないと考える学生は17.7%で、その理由は「うまく育てられる自信がない」が最も多く、次いで「経済的な不安」が挙げられています。このように、結婚や子育てに対する慎重な姿勢が見受けられ、未来の家庭像についての不安が根底にあることが理解できます。
また、物価高の影響を実感する学生の割合も増えており、特に「食費」や「家賃」、さらには「学食・生協の価格」などへの影響を強く感じている学生が増加しています。このため、自分の将来について経済的な視点から不安を持つ学生が多いことも伺えます。
調査結果を見ると、14.4%の学生が性格診断テストの結果を「適職を考える参考にする」と回答しており、自己分析や企業選びに役立てていることがわかります。このように、学生のキャリア形成やライフプランを考える際に、自己理解が重要視されていると思われます。
調査を通じて見えてきたのは、共働きの希望率が過去最高に達し、育児休業を希望する意識も高まっていることです。これは、男女ともにキャリアを築く意識が強くなり、また子育てに関わる姿勢の変化が生じていると言えるでしょう。さらに、結婚に対する価値観の多様性も顕著で、従来の枠にとらわれない生き方が浸透しています。
最終的には、このような調査結果は、学生たちが現在の経済状況やライフスタイルを背景に、どのような家庭像を持っているのかを示しており、VUCA時代におけるキャリアとライフスタイルの形成についての課題も浮かび上がります。これからの世代の結婚観や家庭観は、社会的な変化とともに進化し続けることでしょう。