丙午生まれの呪い
2025-12-01 14:34:22

丙午生まれの女性たちの運命と迷信を解き明かす書籍

丙午生まれの女性たちを襲った迷信の真実とは?



2026年、丙午(ひのえうま)が到来します。伝説によると、この年に生まれた女性たちは「不幸をもたらす」と言われ、300年もの間、その迷信に悩まされてきました。著者の酒井順子さんは、同じく丙午生まれとしてこの伝説を斬り、新たな視点からその真実を探ることを目指しています。彼女の新著『ひのえうまに生まれて300年の呪いを解く』が、1月15日に新潮社から刊行されます。

丙午伝説の歴史と女性たちの苦悩



丙午の年、つまり60年に一度巡ってきますが、その年に生まれた女性たちが「男を食い殺す」と忌み嫌われ、結婚を難しくされてきた歴史があります。酒井さんはこの迷信がどのようにして広まったのか、そしてどのように女性たちがその影響を受けてきたのかを、各時代の史料や新聞、小説、芝居などから探求しました。この迷信は、女性に対する偏見が根付いている社会で生まれたものであり、女性の地位向上を邪魔する枠組みとして機能してきたということが浮かび上がります。

昭和の丙午は特に深刻



特に興味深いのは、昭和の丙午(1966年)です。この年には出生数が前年に比べて25%減少しました。これは、当時の人々が未だに丙午の迷信を重く受け止め、子供をこの年に産むことを避けたためです。また、明治時代には「丙午心中」という彼女たちの絶望や、「丙午求職」といった現象が新聞で報道され、丙午生まれの女性が非常に厳しい運命に置かれていたことがわかります。

文豪たちの丙午に対する感情



丙午生まれの女性に抱かれる感情には、文豪たちの意見も顕著です。川端康成は、その随筆『丙午の娘讃』において丙午生まれの女性を称賛しました。「美しくて、勝気で、剛情」と絶賛する一方、夏目漱石は丙午生まれの女性を描く小説『虞美人草』で、彼女たちに対する冷たい視線を示しました。このように、丙午生まれの女性の存在は、賛美と批判の両方を招いてきたのです。

鼎談で語られる丙午の現実



本書には、酒井順子さんが俳優の鈴木保奈美さん、専門家の吉川徹さんとの鼎談も収録されています。この鼎談では、丙午に生まれた者たちが抱える経験や心情を語り合い、丙午と「負け犬」という言葉の関係が明らかになります。

未来に向けたメッセージ



著者は、この迷信がいかに長い歴史を持ち、今も女性に対する偏見を生んでいるのかを考えることの重要性を説いています。丙午生まれの女性たちの物語を知り、彼女たちがどのように扱われてきたのかを振り返ることは、今後の世代に向けても大切だと感じさせる内容です。この書籍は、新たな丙午イヤーを迎えるにあたり、過去に学び、未来に活かすための貴重な一冊となることでしょう。

書籍データ


  • - タイトル: ひのえうまに生まれて300年の呪いを解く
  • - 著者名: 酒井順子
  • - 発売日: 2026年1月15日
  • - 造本: 四六判ソフトカバー160頁
  • - 定価: 1815円(税込)
  • - ISBN: 978-4-10-398512-9
  • - 詳細: 新潮社公式サイト


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