Z世代の結婚観を探る:新たな価値観と結婚式のアップデート
最近、結婚に関する価値観が変わりつつあることがさまざまな調査によって明らかになっています。特に、デジタルネイティブ世代、いわゆるZ世代(1996年以降生まれ)が結婚についてどのように考えているのか、そしてその背景には何があるのか、株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ(T&G)によるアンケート調査から見えてきました。
アンケート調査の概要
今回の調査はT&Gが主催し、2025年の7月31日までに結婚式を挙げた2397人の回答をもとに行われました。調査期間は2025年8月22日から8月29日まで、対象は29歳以下のZ世代に特化したもので、結婚やその準備に対する考え方が可視化されました。
パートナーとの価値観の差
調査結果から、Z世代の65%が「結婚や結婚式に対する自分とパートナーのモチベーションに差を感じない」と回答しました。30代前半も似たような傾向が見られる中、40歳以上では約56%が差を感じているとのことでした。これは、若い世代が結婚前から お互いの価値観を共有し、理解し合う努力をしていることが影響していると考えられます。
多くの回答者からは、モチベーションの差を感じなかった理由として「話し合いを通じて双方が納得できる結論に達した」との意見や「新居や式場選びが楽しい思い出になった」という声が寄せられました。
結婚式のアップデートポイント
次に、Z世代が考える結婚式の「アップデート」を探ると、「進行や演出」や「招待状や席次表」が特に関心を持たれていることが分かりました。例えば、定番の演出を省いて、ゲストとの歓談時間を重視するというスタイルが好まれています。実際の結果として、進行や演出の見直しを行なったZ世代のカップルは40%に上りました。
具体的な例として、ブーケトスやファーストバイトを行わず、代わりにゲストとの自由な時間を設けた結果、参加者から楽しかったとの声が多く寄せられました。また、招待状や席次表はWeb形式を導入し、準備の手間を減らしてゲストの負担も軽減するなどの工夫が見られました。
ジェンダーフリーな結婚式
Z世代の結婚式では、従来の性別に基づく役割分担に捉われない「ジェンダーフリー」な視点が強まっています。「結婚式においてジェンダーバイアスを感じたことがあるか」という質問には、若い世代ほど率が低くなる傾向が見受けられることが判明しました。これは、これまでの慣習に対するアンチテーゼであり、意識的にジェンダーに縛られない形を模索していることが強調されています。
カップルの中には、「新郎新婦の表記を工夫したい」や「ファーストバイトでの食べさせ合いを同じサイズのスプーンで行う」といった、新たな価値観を取り入れたアイデアが多く寄せられました。
SNS時代の情報収集
結婚式の準備に関しても、Z世代はSNSを積極的に活用していることが分かりました。「Instagram」や「TikTok」などを通じての情報集集が主流となり、「先輩花嫁アカウントの投稿を参考にする」という意見が目立ちます。一方、30代以上では友人やウェディングプランナーから直接情報を得るスタイルが今なお主流です。
まとめ
結婚に対する価値観は時代と共に変化しています。Z世代は、自由な発想を持ち、従来の枠にとらわれない新しい結婚式のスタイルを模索しています。この世代のニーズに応じた柔軟なアプローチが、今後の結婚式における選択肢を豊かにするかもしれません。