TKPとエスクリの経営統合が生む新たなブライダルシーン
株式会社ティーケーピー(以下TKP)が株式会社エスクリ(以下エスクリ)を子会社化し、さらにノバレーゼとの経営統合を進めることを発表しました。これにより、国内最大級のブライダルグループが誕生することが期待されています。
統合の背景と狙い
TKPは、ブライダル業界の環境変化に対応するため、業界内での連携を強化してきました。近年、結婚式のスタイルや顧客ニーズは多様化し、ブライダル施設の利用価値が求められています。TKPはこうした変化を「新たな成長のチャンス」と捉え、地域に密着したサービスを展開してきたノバレーゼと、都心に強みを持つエスクリの両社を統合することに決めました。
合併によって実現するシナジー
この統合により、以下のようなシナジーが生まれることが期待されています。
1.
全国規模の婚礼ネットワークの構築
エスクリの大都市圏の施設と、ノバレーゼの地方都市の施設が融合。自社運営の婚礼施設が全国66ヶ所に拡大し、売上484億円規模の業界最大手に成長します。
2.
内製化の相互活用
両社の内製化されたドレスや装花、映像サービスを相互に活用することで、品質向上とコスト削減を実現します。
3.
経営効率の向上
統合による広告宣伝費の一体化や集客戦略の改善で、経営基盤を安定させ、顧客へのサービス向上を図ります。
4.
新たなサービスの拡充
教育プログラムを統合しスタッフのスキル向上を図るほか、ブライダル以外の重要な瞬間もサポートする事業拡大を目指します。
新たなサービスと提案
新たに展開される共同ブランド「CIRQ(シルク)」では、法人も利用できるスペースとしての活用を促進中です。平日は法人利用を促進し、非日常を提供するブライダル施設という位置づけを確立することで、安定した収益を見込んでいます。
また、TKPの約3万社もの法人顧客基盤を活かした送客サービスの展開など、ブライダル施設を日常生活に密着させる取り組みも進められています。これにより、「特別な日のためだけでなく、人々が集う日常を祝う場所」としてブライダル施設の価値を再定義することを目指します。
業界の未来に向けたビジョン
TKPはこの合併によって、結婚式だけではなく人生のあらゆる節目に寄り添う「ライフセレモニー・ブランド」への進化を目指しています。プロポーズや記念日など、多様なライフイベントをトータルに支える企業グループとしての成長を図り、業界の新たな価値を提供し続けるとしています。
結婚式の施行件数が減少する中で、提案される新サービスは特に注目です。ブライダル施設を広い範囲で活用し、顧客の多様なニーズに応じたサービスを提供していくことが期待されます。これからのブライダル業界において、TKP、ノバレーゼ、エスクリの協力がどのような新たな価値を創出するのか、注目が集まります。