渋谷区と虹色ダイバーシティが示すLGBTQパートナーシップ制度の普及状況

渋谷区と虹色ダイバーシティのパートナーシップ制度調査

近年、LGBTQなどの性的マイノリティに対する理解と支援が急速に進んでいます。その中で特筆すべきは、渋谷区と認定NPO法人虹色ダイバーシティが行った調査です。この調査は、全国の地方自治体におけるパートナーシップ制度の登録状況を明らかにすることを目的に実施され、特に2025年5月31日現在のデータは象徴的な成果を挙げました。

パートナーシップ制度とは？

パートナーシップ制度は、LGBTQなど性的マイノリティのカップルを地方自治体が公式に認める制度です。東京都の渋谷区と世田谷区は、2015年11月に日本初のパートナーシップ証明書を発行しました。そして、2025年には530の自治体がこの制度を導入し、日本の人口の約92.5%をカバーするに至っています。これは、2017年の調査開始時から実に88倍の増加を示しています。加えて、登録件数は9,836件に達し、この５年で登録件数が9.3倍に伸びたという驚異的な進展を遂げています。

全国の普及状況

本研究の結果として、昨年まで存在した制度のない県庁所在地や政令市は2025年版の調査でゼロになりました。この変化は、LGBTQの権利保障と社会的受容の進展を示唆しています。具体的には、都道府県別のインフォグラフィックによると、人口カバー率50%未満の地域はもはや存在せず、全ての地域で何らかの形で制度が導入されています。

両者のコメント

調査に関して、渋谷区区長の長谷部健氏は、全国においてパートナーシップ制度が定着したことを喜び、引き続きダイバーシティとインクルージョンを推進していく意向を示しました。また、理事長の村木真紀氏は、制度の拡大がLGBTQカップルの権利向上に寄与しているとし、今後は国レベルでの実態把握の必要性を訴えています。

今後の見通し

渋谷区と虹色ダイバーシティは、今後もこの調査を続け、さらなる情報提供とサポートに努める予定です。また、最近開催された記者説明会では、調査の最新情報と今後の動きについて詳しく説明されました。参加者はパートナーシップ制度の影響を受ける方々や、興味を持つ報道関係者が中心で、活発な意見交換が行われました。

この結果を踏まえ、NPO法人虹色ダイバーシティは、国としてのLGBTQへの理解を深め、さらなる施策の推進を呼びかけています。今後、性の多様性を尊重した社会の実現に向けて、ますますの活動が期待されます。