物価高騰に伴うIT人材の資産形成とキャリア展望の変化

日本のIT人材と資産形成の現状

最近、物価高や円安といった経済環境の変化が日本のIT人材に与える影響について、レバテック株式会社が行った調査が注目を集めています。この調査は、全国の20代から50代の正社員IT人材520名を対象に、エンジニアの資産形成とそのライフイベントとの関連を探るものです。

資産形成に取り組むIT人材の実態

調査によると、働くIT人材の約60%が将来に向けた資産形成に取り組んでいると回答しています。特に30代では、この割合が70%近くにも達しており、資産形成への意識の高まりが伺えます。主な手段としては、投資や資産運用が挙げられ、特に「NISA」の活用が66%の人々によって行われているということです。

新NISA開始前からの利用者が多い

「新NISA」開始前からの利用者に関しては、全体の85%が利用していたことが分かりました。毎月の積立額としては、9～10万円が最も多く、26.2%を占めています。これにより、IT人材の多くが上限近くまで積立を行っていることがうかがえます。例えば、2020年以前からNISAを利用しているIT人材は48.1%に達し、その姿勢が積極的であることの証明となっています。

経済環境の変化が資産形成に影響

最近の物価上昇や円安を背景に、約半数のIT人材は資産形成を見直しており、特に「iDeCoやNISA」の利用が24.4%を占めています。その他にも、定期的な貯金（17.0%）、投資信託（14.1%）、株式投資（10%）など、様々な方法で資産を増やす動きが見られました。加えて、副業や自己投資、転職などを通じてキャリア形成を目指す動きも広がりを見せています。

結婚がキャリアに与える影響

ライフイベントとして最もキャリアに影響を与えたのは、「結婚」であり、28.9%がこの選択肢を挙げています。次いで「転居・引っ越し」（24.0%）、そして「子の出生」（18.1%）が続きました。実際、結婚がキャリアに影響を与える理由は、「経済的な理由」が41.9%と過半数を超え、また「仕事と生活のバランスの必要性」が33.3%と多くの人々に関連していることが分かります。

転職を決意するきっかけ

転職を検討するに至ったきっかけとして最も多かったのは、「ワークライフバランスの改善」（20.0%）であり、「ライフイベントに備え、年収を上げる必要があった」（18.2%）が続きました。結婚や子育てといったライフステージにおいて、柔軟な働き方や経済的安定を求めることがキャリア選択に影響を与えていることが浮き彫りになっています。

経済的安定を求めるIT人材

今回の調査から明らかになったのは、IT人材の約6割が資産形成を意識して取り組んでいるということです。結婚や子育ては、これまで以上にキャリア形成に無視できない影響を及ぼしており、ライフイベント、キャリア、経済の要素の関連性が見て取れます。物価高と円安の影響が続く中、個々が主体的にキャリアを築き、経済的な安定の確保が求められる状況です。

まとめ

レバテック株式会社は、IT人材のキャリア形成と経済自立を支援し、業界全体の発展を目指しています。ライフステージに応じた多角的なサポート体制を強化し、より多くのIT人材の人生に寄与する取り組みを進めています。今後も、経済環境に伴う変化に敏感に反応し、IT人材の皆さんが安心してキャリアを築ける社会基盤の整備に努めていく所存です。