七夕に消えつつある恋愛の願い事
毎年、7月7日には日本各地で七夕を祝う光景が見受けられます。この行事では、織姫と彦星が天の川を挟んで年に一度だけ会うことが知られていますが、最近の調査によると、七夕の短冊に書かれる願い事はあまりにも無機質な方向へと移行していることが浮き彫りになりました。
日本ロマンチスト協会が実施したこの調査では、全国の15歳から69歳の男女300人を対象に、今年の七夕にどんな願いを持つかを聞きました。その結果、最も多かったのは「健康」で32.7%、次いで「何も願わない」が同じく32%を占めていました。これに対して「恋愛・結婚」と回答したのはわずか2.3%。ロマンティックな願いがほとんど見受けられない現状が明らかになったのです。
短冊に隠された本音
この調査から分かることは、短冊が「本音を書く場所」としてではなく、「人に見られることを意識する場所」として捉えられているという可能性です。現代ではSNSや公共の場でプライベートな感情をさらけ出すことに対してためらいの感情が生まれているのかもしれません。
さらに、調査の中で「七夕に恋の願い事をしたことがある」と答えた人は21.7%にとどまり、その内容の多くは「両思いになりたい」「彼氏・彼女がほしい」「結婚したい」といったものでした。しかし、「ない」と答えた78.3%の人々の中には「恋の願い事をすること自体が恥ずかしい」と感じる人も多いのではないでしょうか。
恋愛願いの絶滅危惧
調査結果を受けて、日本ロマンチスト協会は「恋愛に関する願いごとを書かなくなっている人々」を通称「絶滅危惧ロマンティック」と称することを決定しました。この言葉には、短冊に恋の願いを書く素直な心を保護していきたいとの意図が込められています。
調査の主催者である日本ロマンチスト協会は、短冊に書かれる願い事が以前ほどロマンティックではなくなっていると感じていますが、短冊が消えかけているわけではないともコメントしています。実際に、街中ではまだ多くの笹や短冊が揺れており、願い事には健康や家内安全、またはお金など、リアルな生活に根ざした内容が多く見られます。
「好き」と「近くにいたい」の感情が薄れる?
しかし、一方で「好きな人と近づけますように」といった、照れくさい願いが薄れていることは否めません。「ロマンティック」をテーマに活動する同協会は、こうした心情が薄れていく現代社会に対して懸念を示しつつ、この小さな感性を守っていきたいとしています。
七夕の短冊は、現代人のリアルな本音を反映している小さなアンケートのような存在であり、今後どのように進化していくのかが注目されるところです。この心情が少しでも蘇り、多くの人々が「恋愛・結婚」といった幸せな願いを短冊に書く日が訪れることを願いたいものです。
日本ロマンチスト協会では、調査結果をもとにした特集記事「織姫と彦星は、どこへ行った? ——短冊が映す、現代人の『脱ロマン』」が公開されています。詳細は公式サイトで確認できます。
公式サイトにて、ぜひご覧ください。