家事ADR・ODR調停人育成機構の設立
2026年3月30日、株式会社リライフテクノロジーの代表取締役であり、事務局長を務める小林弘典氏が発表した「家事ADR・ODR調停人育成機構」が設立され、記者会見が実施されました。この機構は、離婚や親権を巡る問題における調停人の育成を目的としています。
新たな共同親権制度の導入に向けた動き
2026年4月1日に施行される民法改正により、日本において共同親権制度が新設されます。これにより、離婚後も両親が連携して子どもの重要な決定を行う新たな枠組みが導入されることになります。しかし、同時に養育費未払い問題やひとり親世帯の貧困、調停の長期化など、多くの課題も浮上しています。これらの問題に対処するために、家事ADR・ODRの役割拡大が求められています。
機構設立の背景と目的
家事ADR・ODR調停人育成機構は、弁護士や研究者、民間ADR機関などが協力し合い、調停人の育成や認証制度の確立に向けた活動を展開します。また、幅広い政策提言や広報活動を行い、一般市民への啓発も進めていくことが目的です。
小林氏は記者会見で、オンライン調停(ODR)の意義を強調し、時間や場所に縛られない新しい解決手段としての可能性を示しました。しかし、家族問題の解決にはデジタル技術だけではなく、当事者の感情や関係性を理解する調停人の役割が重要であると述べています。これにより、紛争解決の質を向上させ、より安心できる社会を目指すことが求められています。
家事ADRの重要性と調停人育成の必要性
記者会見では、理事の小泉道子氏が、家庭裁判所調査官としての経験を通じて、子どもが紛争に巻き込まれる現実を訴えました。彼女は、当事者が納得できるプロセスを重視するADRの重要性、さらには質の高い調停人を育成する必要性を強調しました。
また、弁護士の竹内裕美氏も、裁判による対立が激化するケースに触れ、ADRを通じた対話による解決の重要性を訴えました。専門的な知識と技能を持った調停人が育成されることが、より良い家事問題の解決につながると述べました。
さらに、入江秀晃氏は、100年以上の歴史を誇る日本の調停制度が、これまで調停人の養成を体系的に行えていない現状を指摘し、共同親権制度の導入に伴い、制度としての見直しが必要であると強調しました。
質疑応答と今後の展望
質疑応答では、調停人の育成や認証制度についての具体的な方針が示されました。特にDV(ドメスティック・バイオレンス)やモラルハラスメントへの対応、子どもの心理や親子交流に関する知識の習得が必要であるとのことでした。また、近年の社会情勢を踏まえたオンライン手続きの普及が背景にあり、業界横断的な育成機関の必要性が高まっていることも説明されました。
家事ADR・ODR調停人育成機構の活動内容
この機構では、主に次のような活動を行います。
- - 調停人の育成・認証
- - 産官学の連携による政策提言
- - 一般市民への広報・啓発活動
社会課題解決に向けた取り組み
株式会社リライフテクノロジーは、今後もオンライン紛争解決サービスを通じて対話による問題解決を普及させる様々な取り組みを行います。特に共同親権施行に伴い、全国に向けた『リコ活調停』という新たなODRサービスを2026年に正式に開始しました。
この「リコ活調停」サービスを利用することで、当事者はオンライン上で調停人を交えた対話を通じて自身の状況を整理し、合意形成を支援されることとなります。
結論
家事ADR・ODR調停人育成機構の設立は、家庭問題の解決に向けた大きな一歩です。テクノロジーと人のスキルが相まって、誰もが安心できる社会の実現が期待されます。これからの活動に注目が集まります。